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日本株(終了):続伸、米景気に対する楽観的な見方で日本株に出遅感

日本株(終了):続伸、米景気に対する楽観的な見方で日本株に出遅感 (ブルームバーグ)


2004年11月15日(月)17時14分


11月15日(ブルームバーグ):東京株式相場は大幅続伸。米景気に対する
楽観的な見方で米株式相場が上昇したのを受けて日本株の出遅れ感が鮮明になる
なか、電機や自動車などの主力株を積極的に買う動きが広がった。金融庁の特別
検査で不良債権処理が最終段階に入ったことが確認された三井住友フィナンシャ
ルグループなどのメガバンク株にも外国人投資家からとみられる買いが入ったよ
うだ。TOPIXの業種別指数は33業種すべてが上昇し、東証1部の値上がり
銘柄数も1356銘柄に達し、ほぼ全面高となった。

  日経平均株価の終値は前週末比207円59銭(1.9%)高の1万1227円57銭。
TOPIXは同19.45ポイント(1.8%)上昇し1123.47。東証1部の売買高は
概算で13億9388万株。上昇銘柄の下落銘柄に対する割合は8.69倍と5月19日
以来の高水準だった。

  この日は朝方から主力株などを中心に買いが先行。需給面で懸念要因だった
大型新規上場のエルピーダメモリが公募価格比で大幅高となったことで、買い安
心感が一段と強まり、株価指数は徐々に上昇幅を広げる展開となった。株価指数
先物にも朝から買いが入ったほか、国内の機関投資家が国際優良株を買う動きも
継続したようだ。

  午後の取引では日経平均株価の1万1200円近辺で売り買いが交錯したが、
取引終了間際に先物にまとまった買いが入ったことから、日経平均株価は節目と
見られている200日移動平均の1万1221円を上回って取引を終えた。

  コスモ証券エクイティ部の東健一・エクイティストラテジストは「半年ほど
続いた保ち合いは、景気の減速を織り込んできたことと、原油価格の高騰で企業
業績のよさに目を向けなかったことによるものだ。株価の上昇は企業業績の動向
を織り込む動きで、保ち合いを上へと離れる方向で動き始めたとみている」と語
った。

  一方、この日の上昇を主導した銀行株には「前週末に金融庁の特別検査で不
良債権処理が最終段階に入ったとのニュースで、一勝負しようとした向きの買い
が入ったが、上昇基調がさらに鮮明になるには業績などのファンダメンタルズの
面で追加材料が必要」(大和証券SMBCの高橋和宏・エクイティ企画部長)と
の見方もあった。

                個別銘柄

  ハイテク株では東京エレクトロンやアドバンテスト、TDKなどが上昇を主
導。こう着感を強める場面もあったが、先物の上昇に伴っていずれもこの日の高
値圏で終えた。エルピーダメモリも公募価格を7%強上回る水準で取引終了。

  NTTやKDDIなどの通信関連株が高い。NTTの設備投資が業績面でプ
ラスになるとみられている古河電気工業も今年の高値を更新した。午後の取引で
伸び悩んだのはソフトバンクで、プロ野球参入に伴って社名変更を検討している
と報じられたことが伸び悩みの一因になったようだ。

  内需株も堅調に推移し、三菱地所や三井不動産、住友不動産など不動産大手
は終日上値を切り上げる展開となった。不動産経済研究所が10月に首都圏で発
売されたマンション戸数は前年同月比20.1%増だったと発表したことも支援材
料になったようだ。

  医薬品では山之内製薬と藤沢薬品工業が年初来高値を更新。建設株も上昇す
る銘柄が多く、大林組は2001年5月以来の高値水準となった。清水建設は4月
以来、約7カ月ぶりに500円台を回復する場面もあった。食品株では日本たばこ
産業が年初来高値を更新した。

  その他金融株ではSFCGとオリックスが年初来高値を更新し、野村ホール
ディングスや大和証券グループ本社などの証券株も高い。日興コーディアルグル
ープはおよそ2ヵ月半ぶりに500円台を回復して取引を終え、松井証券も大幅高
で、売買代金で東証1部の上位に入った。

  銀行株では、りそなホールディングスが売買高を伴って上昇し、住友信託銀
行も大幅高となった。地銀株では京都銀行が今年の高値をつけた。

  自動車株では、仏プジョーシトロエングループとの包括提携交渉が報じられ
た三菱自動車工業が大幅高。トヨタ自動車はこの日の高値で取引を終え、「目方
の重い銘柄が高くなっているのは、日本株そのものを買う動きの表れ」(新光証
券商品企画部の瀬川剛エクイティストラテジスト)ととらえる向きもあった。

  一方、エイベックス・グループホールディングスは人気アーティストのCD
新譜発表がなかったことから中間期の営業損益段階から赤字に転落し、ストップ
安となった。前週末に業績見通しを下方修正したピクセラが大幅安。ケンウッド
は12日通期の連結純利益を期初計画の75億円から55億円に下方修正したのが
売り材料となり、年初来安値を更新。

  上場廃止となったメディア・リンクスとの間で架空取引を行っていたと報じ
られたCTCが安い。上場廃止の懸念が高まっている西武鉄道はストップ安で、
東証1部の下落率トップだった。
  
  ドイツ証券が目標株価を下げた沢井製薬も下落率の上位に入った。植木組や
世紀東急工業、日成ビルド工業などの低位株も、値動きの軽くなった国際優良株
に人気をさらわれる格好で下落した。

主要株価指標の動向            前日比
日経平均        11227.57 +207.59
TOPIX      1123.47 + 19.45
日経平均先物(大証)   11220.00 +200.00
日経平均先物(シンガポール) 11215.00 +180.00
東証2部指数      3009.95  + 25.92
ジャスダック指数         85.61  + 1.31
東証1部出来高(百万株)     1393
    値上がり銘柄数       1356
    値下がり銘柄数     156


        新興市場は続伸-シチズン電子など上昇

  新興市場は続伸。前週末に発表された米経済指標が予想以上に伸
びたことを受けて、日・米株の上昇を期待する声が広がった。需給悪
化の一因と指摘されていたエルピーダメモリが東証1部に新規上場し
て、終日公募価格を上回ったことが、個人投資家の買い意欲を高めた。
楽天やシチズン電子など、すでに中間期決算を発表して業績拡大が確
認された時価総額上位銘柄の上昇が目立った。

  日経ジャスダック平均は前週末比15円59銭(0.92%)高の1718
円4銭。売買代金は43億円増えて632億円と、4カ月ぶりに600億円
を超えた。幅広い銘柄が物色された結果、ジャスダックの値付き率が
85.74%と、9月24日以来の高水準になった。
  一部報道をきっかけに好業績期待が強まっている日本マイクロニ
クスが大幅続伸。韓国企業向けに携帯用ゲームコンテンツ(情報の内
容)の提供を始めたジー・モードも大幅に上昇。小幅ながら今期利益
見通しを引き上げたナンシンと山洋工業が、値上がり率上位に並んだ。
ナフコや日本トイザらス、九九 プラス、サザビーといった消費関連
株が上昇。時価総額上位ではインデックスやフィールズも高い。

  下落率1位はユニオンペイント。増益を計画していた今期純損益
が大幅な赤字に転落する見通しと発表し、ストップ安(制限値幅いっ
ぱいの下落)まで売り込まれた。同様に黒字から赤字見通しに変えた
日本ファイリングもストップ安。そのほかの下方修正銘柄では、ジオ
マテックと木徳神糧、日本ラッド、ミナトエレクトロニクス、三ッ星、
テノックスの下げが目立った。前週新規上場した日本ERIとジー・
トレーディングも安い。

  東証マザーズ指数は前週末比41.78ポイント高の1686.4。米半導
体株指数の続伸を受けて、ブイ・テクノロジーやインターアクション
といった半導体関連株が大幅高。中古車を手がけるアップルインター
ナショナルとアガスタも上昇率上位。バリュークリック ジャパンは連
日のストップ高(制限値幅いっぱいの上昇)。1対100の株式分割が
引き続き投資家の買いを誘っている。

  半面、ライブドアが大幅安。適時開示規則違反で5月に大証へラ
クレスを上場廃止になったメディア・リンクスの、架空取引に関与し
たと一部で報じられたため、投資家の間でいったん手放す動きが広が
った。インターネット総合研究所やアイ・シー・エフ、ゼクーも安い。
粉飾決算で上場廃止が予想されるアソシエント・テクノロジーは上場
来安値を更新した。

  大証へラクレスでは、ワールド日栄フロンティア証券やファイナ
ンス・オールなど金融株が上昇。野田スクリーンやビーマップ、ネク
ストウェアも高い。サンライズやエン・ジャパン、三光ソフランは下
げた。
  この日新規上場した賃貸住宅ニュース社の初値は、公募価格を
11%下回った。
by htdwge8g2000 | 2004-11-15 21:38 | ニュース・評論
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